とうとう今年に平成が終わり、新しい時代になります。
新元号の次代になれば、始めての秋に大嘗祭(だいじょうさい・おおにえのまつり)がとりおこなわれます。
ですが、その時使う施設の建築費を抑えるために、一部建物をプレハブにするそうです。
伝統行事でプレハブとかって良いのでしょうか?
そして、なぜプレハブにするのでしょうか?
皇位継承儀式の行事として、それ、大丈夫ですか?
大嘗祭の建物は、建てる日も壊す日も厳格に決まってます。
何で壊すのよ?という疑問があるのですが、コレは日本の宗教観としか言えません。
「常若」という何年経っても若く変わりない、もしくは生まれ変わっていくという古くからの宗教観です。
コレに基づいて、伊勢神宮の式年遷宮も行われているのです。
話戻しまして、大嘗祭ってなにかといいますと、天皇が即位した初年に行う大規模な新嘗祭のことです。
では、新嘗祭ってなに?といいますと。
古くから五穀の収穫を祝う天皇がおこなう宮中行事で、簡単にいえば国家レベルの収穫祭のことです。
今回プレハブになる事に決まったのが、皇居東御苑に建てられる祭祀に使用する大嘗宮という建物です。
この建物は毎回すべて新築になります。
そして、終わったら跡形もなく壊してしまうのです。
前回も皇居東御苑に建てられたんですよ。
今、あそこには何も建っていないでしょう。
『国史大辞典』をみると、「大嘗祭において天皇が神事を行う仮設の殿舎」「祭儀の七日前に着工し、二日前に完成させる。(中略)大嘗祭が終るとすぐ辰の日に撤去」とあります。
どうせ壊しちゃうからプレハブにってことなのでしょうか?
そしてそのせいなのか、予算の出所に関して裁判起こしてる方々がいらっしゃるそうです。
秋篠宮さまの例のご発言には、こういう背景があるようですね。
予算で揉めてる原因は公式行事か宗教行事か?
この建ててもすぐに壊してしまうという建築物に、どこから予算をつけるのかということで、違法であるとして裁判を起こしている方がいるそうです。
そして、5月の即位式関係の予算に関しても裁判起こしてる方々がいますよね。
政府によると、皇位継承の儀式に関する費用は、前回と同じ皇室行事と考えて公費に分類される皇室の宮廷費から支出するそうです。
天皇家及び宮家につけられる予算には3種あり、宮廷費と内廷費、そして宮家につく皇族費があります。
ここで、宮廷費と内廷費を詳しく調べると、内廷費とは、天皇および皇太子ご一家の私的生活費で、皇室祭祀などもここに含まれます。
これに対して、皇室の公的活動は宮廷費という公式予算に計上されます。
では、新天皇の即位に関する様々な行事は公式か?私的もしくは宗教行事か?となってきます。
先に私の考えを申し上げると、世界中から国家元首やその代理のひとがたくさん来て、国家レベルで大々的に世界にむけて、新しい国家元首を紹介する行事なのだとしたら、公式行事ではないでしょうか?
異論はあると承知しております。
完全な私見であり、どなたかと論戦をする気持ちもありません。
ですが日本の国家元首は天皇です。
そして現在の皇室は、私的に収入源を持つ事はありません。
第二次大戦以前は、天皇家も他の宮家も私的に財産を生み出す収入源がありましたが、今はそれをもっていないのです。
イギリスや他の王家とはまったく違っています。
だからこそ、税金をもとにした国家予算から、宮廷費も内廷費も割り当てられているのです。
国家予算だからこそ、できるだけ費用をおさえてプレハブにとお考えになったのかもしれません。
政府は新時代の大嘗祭の予算は、宮廷費(公的)でまかなう方針だそうです。
秋篠宮様は「内廷費(私的)で挙行できる規模にできないだろうか」ともお話しているといいます。
このロジックはどうしたものでしょう。
申し訳ありませんが、ここでも私見をぶち上げます。
宮廷費も内廷費も、元は税金です。
もっと時事的に突っ込めば、真子様ご成婚の一時金も元は税金です。
(だから、問題になってるんですけどね。ぶっちゃけ彼氏の金銭問題に税金投入かって話で)
私の様におおざっぱな性格の人間にしてみれば、宮廷費も内廷費も、元は税金、どこから出してもいいんじゃないのと思ってしまう。
なにせ、例えばこの予算をすべて内廷費(私的)にしたとしても、世界的な行事だから予算は掛かるわけで、じゃぁそっちに予算を臨時につけちゃえば同じじゃないのかな?と。
この問題で裁判を起こしたり、苦言を呈している方は、日本国内でキッチリしましょうという方で、「国の宗教的な活動を禁じる憲法20条に抵触する恐れ」があるとして、法律に則って正確にやりたい方なのかもしれません。
それは、民主主義の世界で、とても必要なことです。
それでも、時には例外が出てくるのではないかと、私は勝手に暢気に思うのです。
世界的に「しょぼい」「伝統的じゃない」と、らしくないって評価されるより、「やっぱ日本ハンパない」って言われる方が国民としては嬉しいのです。
大嘗宮がプレハプになるという噂は本当なのか?
昭和から平成に映ったときよりも、今回の一連の行事予算は多くなっています。
これは招待客が増えたり、材料費や人件費が上がったり、警備が増えたりなど、理由があります。
ザッと計算しても41億円ほど高くなってます。
この166億円余りの予算のなかから、大嘗祭関連では27億円ほどが計上されています。
建物だけではなく、ほかにも費用はかかるそうです。
すべて新築で、儀式が終わったらすべてを取り壊す大嘗宮。
皇居東御苑は今はまだ広場のままです。
ここに大小30余の建物が設営されます。
できるだけ税金を使わない方法を考えて、だからこそのプレハブ建設を選択しなさったのでしょう。
伝統行事にプレハブって最初聞いた時は、ビックリしましたが、これも仕方のない事なのでしょう。
では、どの部分をプレハブにするのでしょうか?
早速調査。情報をまとめて図にしてみました。
屋根の作り方も変えて、できるだけ予算削減を目指してますね。
これも新しい時代の流れなのでしょうか?
昭和世代の私からすると、ちょっと寂しい様な、それでも新時代っぽいなと思える様な、そんな新天皇のご選択だったのではとおもっております。
ひとつだけ老婆心ながら、この建築を選択したことに不安を憶えるなら、伝統的な建築物である大嘗宮の建築技法が未来に伝承されないかもしれないということです。
前回の昭和から平成に移ったときの大嘗宮は、正確に建てられたと記憶しています。
今回簡素な建築を選択したため、もっと先の次々世代に、この建築技法が伝えられず消えていく可能性があるのです。
前回の建築時に画像や映像で建築技術を残していたとしたら、それはとても大切な日本の宝になってしまうでしょう。
なにはともあれ、また、あの荘厳な伝統儀式が1年近くかけて繰り広げられます。
前回の即位の義には、あのダイアナ妃もいらしてましたよ。
前回テレビに釘付けになっていた身としては、なかなかライブで拝見する機会がないと思うので、若い皆様にもご覧になっていただきたいと思います。